
肩こり、首こりに対するボツリヌストキシン注射



慢性の頑固な首や肩のこり、それに伴う頭痛などで悩まれている方も多いことと思います。
当院では通常の痛み止めや注射、リハビリなどで効果がない、あるいはごく一時的にしか効果がない、といった患者さんのために
ボツリヌストキシン製剤の注射による疼痛緩和治療を始めました。
1.ボツリヌストキシン製剤とは
ボツリヌス菌の作り出す A 型ボツリヌス毒素を有効成分とする薬剤です。 ボツリヌス菌を注射するわけではありませんので、ボツリヌス菌に感染するといった危険性はありません。様々な研究の結果、 このタンパク質を極少量緊張している筋肉に直接注射すると、その筋肉が弛緩することが分かり、医薬品として利用されるようになりました。日本でも、上肢下肢の痙縮(脳梗塞後遺症などによる手足のつっぱり)、痙性斜頸、眼瞼痙攣、顔面痙攣などに対し保険適応になっておりますし、美容の領域でも、眉間や目尻の表情じわを改善させる、エラの解消による小顔効果があり広く使われているものです。
2.方法と効果について
この薬により筋肉の収縮を抑制し、筋緊張による首や肩の痛みを緩和が期待できます。
頸部から肩にかけて、具体的には頸部の板状筋、胸鎖乳突筋、肩甲挙筋、そして僧帽筋の数か所に注射を施行します。効果は投与後 数日から1週間後から現われ、通常 3~4 ヵ月持続します。後頸部については一時的にだるさや突っ張りなど悪化を感じる場合もありますので注射箇所については診察時に説明いたします。
また僧帽筋のハリ(盛り上がり)がやせて見えるため首が長く見える美容的効果も期待できます。
その後時間の経過と共に効果が消失 し、投与前の状態に戻ります。この場合再投与することによって同様の効果が現れます。 この薬剤はタンパク質が主成分であるため、治療を続けていくうちに、ごくまれに体内に抗体が作られ、効果が減弱する可能性があります。
3、当院で用いるボツリヌストキシン製剤について
当院では、Medtox社のコアトックスRを使用します。コアトックスは最も新しい第4世代のボツリヌストキシン製剤で、ヒト血性アルブミンや動物由来成分を使用しておらず、不純物を徹底的に除去し、高純度で副作用が少なく、抗体が産生されにくく繰り返し打っても効果が落ちないとされています。韓国の食品医薬品安全処(MFDS)の認可を取得しています。
4,副作用など
副作用として、(以下1~5%未満)局所性筋力低下、注射部 腫脹、注射部出血斑、注射部熱感、注射部位疼痛、白血球減少、などがあります。 重大な副作用として、ショック、アナフィラキシー、痙攣発作(頻度不明)などがあります。
◆ 全身性の筋肉の病気(重症筋無力症、筋委縮性側索硬化症など)の場合は使用できません。◆ 妊婦または妊娠している可能性のある方、および授乳中の方は使用できません。(妊婦、授乳婦に対する安全性 は確立していません)◆ ボツリヌストキシン製剤でアレルギーを経験したことのある場合やアレルギー体質の方には投与できません。
5,当院での治療手順(重要)
全く新患の患者さんは初診でのボツリヌストキシン製剤治療はできません。まずは保険診療でX線検査や病状を確認。筋肉や筋膜由来の症状と診断された場合に、圧痛、硬結部位を確認、一度局所麻酔剤等による治療を受けていただきます。そこで一時的でも改善がみられた場合に、そこを責任部位として2回目以降にボツリヌストキシン製剤の治療を行います。
ボツリヌストキシン製剤の治療は、自由診療(全額自費)となります。
料金は平均的には通常1回4~6か所までの注射で15000円(税抜)程度です。
詳細は受診時に説明いたします。
なお、美容目的の顔などへの注射は当院では原則的には行いません。

