関節リウマチについて
「関節リウマチ」は昨今の薬物治療の進歩などにより、症状や病気の進行をかなり抑え込むことができるようになりました。ほとんど症状なく過ごされている方も決して少なくありません。
しかし一方で、未だ完治させる治療法が確立されたわけではなく、多くの患者さんでは継続的な検査や治療が必要で、付き合いが長くなりがちな病気であることは残念ながら変わりありません。
どんな病気にも言えることですが、患者さん自身が病気や治療に対する理解を深めていただくことが、治療を円滑に進め、病気を悪化させず、生活を安楽に送るために非常に大切なことと考えています。その一助になればとこのページを作成いたしました。
適切な診断・治療を受ければ、今やリウマチは将来を悲観する病気ではありません。
当院では、検査、診断、最新の治療まで一貫した医療を提供することができます。
リウマチに関しては、「当院で診断・治療ができない」という理由で他専門医療機関に紹介することは基本的にはありませんが、より詳しい検査や合併症等の管理が必要な患者さんに関しては他病院と連携し、最善の方法を選択いたします。
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リウマチとは 診断について 治療について よくある質問(Q & A)
リウマチとは
関節の腫れや痛みを主症状とする自己免疫疾患(体内の免疫システムの異常によっておこる病気)のひとつです。原因ははっきりわかっていません。
(疫学)
30-50歳代の女性の発症が多く(男性の約4倍)、現在日本だけで70万人の患者さんがいます。1年間に1万5千人の新たな患者さんが発病するとされています。
(どんな病態?)
関節や腱の周りにある滑膜という組織が炎症をおこし、異常な増殖をしてきます。慢性化、進行すると増殖した滑膜やその産生物質により軟骨や骨がダメージをうけてしまい関節の機能が悪くなることがあります。

(症状は?)
主な症状は、関節の腫れ、痛み、こわばりです。体中の関節であればどこにでも起こりえますが、手指、足指など小さな関節だけの方もいれば、肘、膝、手首、足首など比較的大きな関節を中心に出る方など様々です。疲れやすい、微熱などの全身症状を伴うこともあります。
また、症状には波があり、肉体的・精神的ストレス、季節・天候などが症状に影響することが経験的に知られています。
初期の症状は手指のこわばり、チクチクとした痛み、足の裏のごわごわ感などが多いようです。ただし、更年期の、特に女性ではリウマチでなくても腱鞘炎、関節痛(変形性関節症)も増えます。その場合はリウマチの初期と非常に鑑別が難しい場合もあり、しばらく経過をみないと判断できない場合もあります。
比較的リウマチの初期で特徴的なのは、指の第2関節(PIP)、指の付け根の関節(MP)や手首周囲、あるいは足趾の付け根の関節(MtP関節)です。勿論、その他の関節(膝、足首、肘など)から発症する場合もあります。


(*赤丸が比較的初発症状で多い場所)
第1関節(DIP)や第2関節(PIP)だけにとどまる痛みや変形の多くは変形性関節症(加齢現象)です。これは遺伝性もあります。残念ながらこの変形については予防方法はなく鎮痛剤などの対処療法になります。最近ではエクオールなどのサプリメントの有効性が報告されています。
ただし、他の病気(乾癬、膠原病、腫瘍など)が隠れている場合がありますのでいずれにしても自己判断はしないほうが賢明です。
一方、高齢者の場合は、肩・膝などの大きな関節の強い症状から始まったり、首肩の周り・上腕・太もも・腰周りの筋肉痛、発熱、手や足の甲のむくみで発症する場合もあります。
その他リウマチの合併症について
シェーグレン症候群という目や口の中がひどく乾燥する病気がリウマチの20%に合併しやすいことが知られています。基本的に症状を緩和させる治療が中心で、点眼薬や人工唾液などを使います。
また、ステロイドや免疫抑制剤を使っているため抵抗力が弱く、感染性の肺炎や気管支炎になりやすいことから、人ごみを避ける、マスクをする、うがいをするなどの予防は重要です。またリウマチの炎症が肺に及んで慢性の肺炎をおこすこともあります。タバコが肺の病変を進行させることがわかっているため禁煙が勧められます。

診断について 診断の手順や検査の値について
以下の3つの検査で診断します。
・触診:関節を触り、腫れや痛みを確認する。
・画像検査
・X線写真
関節周囲の骨や軟骨の変化を確認します。発症初期には変化がないことがほとんどですが、変形性関節症や骨腫瘍など他の疾患の鑑別に役立ちます。
・超音波検査:触診やX線でわからない腫れや炎症をとらえられる場合もあります。パワードプラ―というモードで炎症の状態を評価できるため治療効果の判定にも有用です。当院でも必要に応じて行います。
・血液検査
主に炎症反応やリウマチ反応を検査します。
・CRP、血沈:炎症の程度を表します。ただし、他の病気でも変動します。
・リウマチ因子(RF):一般の検診などでも検査されます。ただし、これは非リウマチの方の5%が陽性になり、リウマチ患者さんでも20%は陰性とされています。これが陽性であれば即リウマチということはありません。また膠原病など他の疾患でも陽性になることがあります。ただし値が相当高い場合は無症状でも慎重な経過観察が必要です。
・抗CCP抗体:RFより特異性の高いリウマチの検査。リウマチではない人が陽性に出る確立は5%未満で、これが陽性の場合は95%以上の確立でリウマチと診断されます。
ただし、既にリウマチと診断された患者さんにおける陽性率は70%程度であり、陰性であっても「リウマチではない」とは言い切れません。
必須の検査ではなく、原則的には診断の際の一度しか検査できません。これで経過をみることは通常ありません。
他にも、膠原病や感染症などとの鑑別のため補助的にいくつかの項目を必要に応じて検査します。
血液・尿検査は、病状の把握、薬の副作用の確認のため治療が開始された後も定期的に行います。
国内外で「リウマチ診断基準」が作成されておりますが、一言でリウマチといってもかなり病状に個人差が大きく、診断に迷うことは少なくありません。完全に診断基準を満たさずとも(分類不能型関節炎)リウマチに準じた治療をおこなうことで症状が改善していく患者さんもあります。実際は経験的判断も重要です。
いずれにしても自己判断はよくありませんので症状があるようであれば早めの医療機関受診をお勧めします。
早期診断・早期治療開始できるかが病気の将来に大きく影響します。




